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執念の采配を見せた広島・佐々岡監督

CS逆転進出へ執念のタクトだ。広島は13日の阪神戦(甲子園)に6―3で快勝した。

 試合前で残り10試合で3位・阪神に1・5ゲーム差。CS進出へ「連勝」が絶対条件となった敵地での2連戦で、佐々岡真司監督(55)がなりふり構わぬ一手で白星をもぎ取った。

 2点を先制した赤ヘルだったが、5回に先発・九里が虎打線に3連打を許して1点差に。なおも一死一、二塁の場面で2打数2安打の原口を迎えると、三塁ベンチの指揮官が勝負に出た。勝ち投手までアウトあと2つの九里から、2番手・森浦へとスイッチした。

 この采配に「いや、もう(この)回が始まった時から言われていた。準備はできていました」と森浦は見事に応え、原口を左飛、続く佐藤輝を右飛に。試合の主導権を渡さなかった。

 一戦必勝を期した執念の采配に、打線も直後の6回に奮起した。阪神のエース・青柳から、松山の左翼線二塁打を口火に無死満塁の好機を作ると、磯村の内野ゴロの間に3点目、なおも一死二、三塁から羽月の左中間二塁打で2点を追加し、5―1と突き放し、敵エースを攻略した。

 さらに6―1とリードを広げた8回、さらに勝負手で食い下がる敵を断ち切った。5番手・矢崎がつかまり、代打・マルテの適時打で1点を返される。なおも一死二、三塁の場面で、佐々岡監督は守護神・栗林を投入した。

 7日の中日戦以来、登板間隔が空いていたとはいえ、8回途中からの守護神投入。ただ、栗林も「もともと、これからは8回からでも『行くタイミングあるかも』と言われていた」と応え、9回までの打者5人を完璧に料理。今季初めて1イニング以上を投げ、29セーブ目を挙げた。

 3位の虎に1ゲーム差ににじり寄った佐々岡監督は「選手たちも分かっていると思う。あと9試合、みんなで一丸となって戦うだけ」と〝逆転3位〟への執念を改めて口にした。


☆なりふり構わぬ執念の継投。勝負所で見せた、佐々岡監督の采配に、選手も答えて、見事な勝利。菊池、秋山、マクブルームを欠く打線だが、4番に座った松山が、期待に応えて、西川と共に打線を牽引。先発九里を5回途中で見切り、8回は矢崎を降板させたが、後を繋いだ森浦と栗林が、立派に後続を断ち、このムチ入れ采配を生かした。

 次の試合、森下が先発なので、理想は完投。が、必要とあれば、栗林も使いそう。他チームより残り試合数の少ないのを、生かした戦略は十分アリだと思う。巨人も凄い試合を勝ち切って、並走している。Aクラス争いは、ますます面白くなって来た。
がんばれ! カープ